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Winny
ウィニー

 インターネットを介したファイル交換ソフト。パソコンに組み込むと、ソフトを起動したパソコン同士が、互いのハードディスク内にあるファイルをやり取りする。掲示板機能を強化した、Winnyの後継バージョン「Winny2」も登場している。

 仕組みはGnutellaやWinMIXに近い。ソフトを起動中のパソコンは、通信の中継点(ノード)となり、独自のネットワーク網を形成する。特定のサーバーは利用せず、各ノードは所有しているファイルの情報をバケツリレー方式で他のノードに渡し合う。その一方で、ユーザーが欲しいファイルを検索すると、ソフトは目的のファイル情報を持つノードを探し、自動的にダウンロードする。

 最大の特徴は、匿名性が非常に高い点。ユーザーを特定するIDなどがなく、データも暗号化されるので、ファイルの入手先を特定することが困難になっている。ダウンロード時は、いくつかのノードを経由するため、通信の痕跡も残りにくい。もう一つの特徴は、通信の転送効率が高いこと。ノードにはダウンロードしたファイルのキャッシュが蓄積され、同じファイルのやり取りが増えるほどトラフィックが軽減する傾向がある。

 他のファイル交換ソフトと同様、音楽や映画の著作物、市販ソフト、わいせつ画像などのファイルが違法に交換されているのが実情だ。さらにソフトが持つ匿名性の高さも違法な取り引きに拍車をかけている。社会問題にまで発展したこともあり、取り締まる動きが活発化している。2003年11月、Winnyを使って市販のゲームソフトを不正に流していたとして利用者の1人が逮捕されたのを手始めに、2004年5月には開発者まで逮捕された。

【Winny】参加しているパソコンがインターネットを介してファイルを共有する

日経パソコン用語辞典2006年版より
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